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2024.7.4

寝苦しい夏の夜に快適に眠る方法

寝るときの快適な室内環境とは

寝ている間にどれくらいの汗をかくの?

人は一晩でコップ1杯分の汗をかくと言われており、汗をかくことで内臓や血液の温度である深部体温が下がり、快適な眠りにつながります。夏は湿度が高く、汗が蒸発しにくくなります。そのため、体温が下がりにくく、寝苦しいと感じることが多いのです。

エアコンは使用したほうがいいの?

快適な睡眠を取るためには、室温、湿度、明るさを調整し、睡眠環境を整えることが大切です。夏は睡眠中にエアコンが止まり、年度も目が覚めてしまい、快適な睡眠がとれない経験があると思います。

睡眠時の室温は24度~26度に保つことが適切と言われており、エアコンを一晩中つけっぱなしにし、室温を一定に保つことで快適に眠ることができます。

また、エアコンが直接身体に当たらないようサーキュレーターを回したり、長袖のパジャマを着用することで、身体を冷やさず眠ることができます。

夏でも入浴が大事

夏でも寝る前の90分前に38度~40度の温度で20分程度入浴することがおすすめです。入浴することで、深部体温が上がり、徐々に下がってきた段階で眠りにつくと、快適な睡眠をとることができます。夏は、冷房などで身体が冷えていると、深部体温が下がりにくくなるため、入浴が大切です。

寝る直前の入浴は、体温が下がりきっておらず、眠くなりにくいので注意が必要です。シャワーで済ませることをおすすめします。

夏におすすめの寝具やパジャマ

おすすめのマットレス

マットレスは、通気性のよい高反発マットレスをおすすめします。ウレタン素材の低反発マットレスと通気性のよい高反発マットレスを比較した研究では、通気性のよい高反発マットレスのほうが深部体温をスムーズに下げ、睡眠を深くしたという結果が報告されています。また、高反発マットレスは少ない力で寝返りを打てるため、肩こりや腰痛予防に効果的です。

おすすめの枕

頭の熱を効果的に下げることで、脳までしっかり眠ることができます。熱がこもらないよう、通気性のよいメッシュ素材や、そば殻、パイプストローなどの素材がよいと言われております。夏は接触冷感機能がある枕カバーなどを使用することもおすすめです。

おすすめのパジャマ

パジャマは吸水性、吸湿性に優れた綿や麻の素材がおすすめです。ポリエステルなどはムレやすいので注意しましょう。熱でも長袖のパジャマをおすすめします。寝る前は半袖がちょうどいいと感じても、睡眠に入ると体温が下がるため、長袖のパジャマでエアコンをつけて寝ていただくことをおすすめします。パジャマの形は、ワンピースタイプよりもセパレートタイプの方が、寝返りしやすく快適な睡眠がとれます。

パジャマや寝具の色は青系がおすすめ

優しい青系の色合いがおすすめです。青色にはストレスを和らげ、リラックスさせる心理的な効果があると言われているためです。

夏の寝る前のおすすめの行動

寝る前の水分補給は?

寝る前の90分前にカフェインが入っていないハーブティーやルイボスティー、ホットミルクなどの温かい飲み物を飲むことで深部体温を下げ、快適な睡眠につながります。

寝る直前に水分補給する場合は、覚醒、利尿作用のない飲み物をおすすめします。寝る直前は深部体温が下がってきているタイミングのため、冷たい飲み物を飲んでも問題はありません。

良質な睡眠を取るための食事方法

食事は就寝の2~3時間前までに済ませることがよいと言われております。夕食後にすぐに眠りにつくと、胃腸が活発に動き、睡眠の質を落とします。

トマトやナスといった夏野菜を積極的に摂取することをおすすめします。トマトやナスにはGABAと言われるアミノ酸の一種が含まれており、心身をリラックスさせる、脳の興奮を鎮める、ストレスを和らげるなどの働きがあります。

寝苦しい夏の夜でも睡眠環境を整えることで、快適な睡眠を取ることができます。是非取り入れてみてください。

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コラム監修者

井坂奈央   

井坂奈央   

Dクリニック東京ウェルネス 睡眠・SAS外来 センター長  

【認定資格】日本睡眠学会睡眠医療認定医・日本耳鼻咽喉科専門医  

参考文献
ビジネスに活かす『睡眠資格』スリーププランナー